a snob
CDレビューのブログです。
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TITLE : EP

2.Postcards From Far Away
3.Glass Of Water
4.Rainy Day
5.Prospekt's March/ Poppyfields
6.Lost + (Jay-Z remix)
7.Lovers In Japan (Osaka Sun Mix)
8.Now My Feet Won't Touch
The Ground
★★★★ official / My Space
イギリスのロックバンド「Coldplay」の4thアルバム『Viva La Vida』に続く兄弟EP盤『Prospekt's March』をレビュー。
さてさて、前回で次はKillersの新譜をレビューします。と言っておきながら、違うアルバム、しかもEP盤をレビューしちゃうなんて・・・そうなんです。私はSです。ドまでは付きませんが。
iTunes見てたら興味を引かれたので、ついついダウンロードしちゃいました。どうやらアウトテイク集みたいですね。
なぁにー!これがアウトテイク集だとぉ!クオリティ高けぇじゃねぇか!
はい。ということで、こいつは『Viva La Vida』に収まらなかった5曲の新曲とリミックス3曲の全8曲で構成されるEP盤。だが、EP盤だからといって舐めてはいけない。各曲が4th同等のクオリティを持っている。特にM3の持つ躍動感は、4thに収録されている表題曲「Viva La Vida」並。アルバムの流れを保つために「仕方なく」はずされたのだろう。(だからEP盤で出したのだろうけど)ただ、曲でなくアルバム全体のクオリティで考えると、4thの方が断然上。やっぱり4thは名盤だなと改めて実感。
このEPを聴いて、確信したことがある。それは、4thのテーマは「生の肯定」だったんだということ。4thをレビューした時、「これは明らかに生の肯定である」なんて偉そうなことを書いていたが、どうやら間違っていなかったようだ。4thよりも、より生のメタファーを感じとれるコイツが4thの続編であるのならばの話だが。まぁ続編であることはほぼ確定してるからOKかな。
M1。4thのM1の歌アリヴァージョン。4thのM1をレビューした時こう書いた。「この曲は2分30秒しかなく、もっと聴いていたくなる物足りなささえも感じてしまう。」おー!神は私を見捨てなかった!このEP盤では時間が長くなってるし、歌もついているじゃないか!その喜びをこめて赤色にしました。(私は無神論者ですが)ただ歌メロが、Lovers In Japanに酷似している。気にしない、気にしない。
M2。ピアノインスト。美しい。
M3。熱い。なんて熱いんだ。魂を揺さぶる躍動感は素晴らしいの一言。昔からのファンは、この曲を聴くと、こんなのColdplayじゃない!と言うのだろうか。いや、これはColdplayだ。華麗に、そして力強く生まれ変わったColdplayなんだ。
M4。小気味良いリズムに思わず体が揺れるポップナンバー。歌詞が気になるが、和訳する元気は私にはない。
M5。過去の彼ららしい静かで美しいナンバー。エレキのアルペジオ部分が好き。
M6。Jay-Zいりますか?改悪ってほどではないですが、あまり意味がない起用の仕方。お友達なんですかね?たぶんそうでしょう。クリスの交友関係は広いですからね。
M7。リミックスver。原曲に比べ、少し楽器が前にでているような、でていないような。気にしない、気にしない。
M8。アコギバックにシンプルにしっとりと歌い上げるナンバー。
このブログを始めた頃は、今年の終わりにベストアルバムTop10的な企画をしようと考えていましたが、今年リリースされ、さらに聴いたアルバムどのくらいあるかなと数えたところ、たったの22枚でした。(その分昔のアルバム、特に70年代のロックを聴き漁りましたが)22枚の中からベストアルバム10枚を選ぶなんて、クラスの女子の中から世界の美女Top10を選ぶような行為ではないですか。ということでその企画は諦めます。ただ、ちょっとそれでは寂しいので、今年のNo1だけ挙げておきます。それは、文句なしに「Coldplay」の『Viva La Vida』。これががリリースされるまでは、苦手な、むしろ嫌いだったバンドを好きにさせてしまいましたからね。今年は聴いていないアルバムが多いですが、No1の座はほぼ確定でしょう。
最後に新譜情報を少しだけ。クリスマスイヴに「いきものがかり」が3rdをリリース。2ndリリース後4枚のシングルを出しましたが、メロディにドンドン磨きがかかって、全て良かったので、今回のアルバムは楽しみです。彼らのような、才能・人気を兼ね備えたバンドはとても貴重だと思います。1月に「Franz Ferdinand」が4年ぶりとなる3rdをリリース。待たせすぎですよ。買いますけどね。2月には「The View」が2ndをリリース。コイツはしばらく様子見で、評価高かったら買います。ちなみ、Coldplayは来年の12月に5thをリリースするらしいです。1年も後なら告知しないで欲しいです。待ちきれない想いを抱えながら1年も過ごすなんて酷ですわ。
さて、次回こそは、Killersの新譜レビューをします。(多分)
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TITLE : 会心の一撃

2.Cemeteries Of London
3.Lost!
4.42
5.Lovers In Japan
6.Yes
7.Viva La Vida
8.Violet Hill
9.Strawberry Swing
10.Death And All His Friends
★★★★★ official / My Space
イギリスのロックバンドColdplayの4thアルバム(邦題:美しき生命)。
久々の洋楽レビュー。
ここ最近邦楽ばかり聴いていた。その理由は洋楽ロックが面白くなかったから。いろいろと試聴してみるものの、ストライクゾーンにずばっと飛び込んでくる音楽がなかった。昨年(07年)は個人的嗜好に合うアルバムが多く、新譜を買うのが楽しみでしょうがなかった。
ただ今年に入ってからというもの、悪いわけではないが最高!と言えるアルバムがなく、「ロックムーヴメントは倦怠期に入ったかな」なんて嘆くこと多々。
洋楽を聴くとしても、過去の名盤類を聴き直すことが多かった。しかしそれにも飽きてきた。名盤は確かに良い。素晴らしい。しかし、新しいものが欲しかった。
そんな時期に、Weezer、The Music、Coldplayと有名バンドのリリースが続く。少し運命的なものを感じこの中の1枚の新譜を買うことを決めた。
なぜ1枚か。それは私の財布が空っぽだからだ。
そこで買った1枚がColdplayの4thアルバム。もし、08年がロック当たり年だったらWeezerを選んでいたと思うが、あえてコイツを選んでみた。
なぜこのアルバムを選んだかというと、Coldplayがあまり好きじゃないから。
前作の『X&Y』は全くツボに入らず、次のアルバムが正念場だろうな。と思っており、今回は勝負してくるだろうと予想していた。
とにかく刺激が欲しかった。新しいColdplayを聴かせてくれ!頼むから刺激を…
もし今年がロック当たり年であったなら、刺激は十分に満たされていたはず。だから、Weezer買って、「やっほぉー原点回帰!」とか言ってたはず。しかし現実は違う。刺激が無い。だから、挑戦してくるであろうColdplayにそれを求めた。
その結果。ちょっと満たされた。ちょっとねw
前置きが長くなりすぎた。私の想いなんか知ってもしょうがないですね。
それではアルバムレビューに移ります。
総評:会心作と言って良いだろう。今作もきっと売れるはず。だが、これは売れて良いアルバム。『X&Y』の売れ方は納得いかなかった。なにが美メロだ。なにが歌詞が壮大だ。もっと売れて良いアルバムはたくさんあるだろう。と嘆いていた。(『X&Y』のデキ自体はそこまで悪くは無いが、良いかと言うと?マーク。酷評するほど悪いものではないが、ここまで売れたか理由が意味不明だった。)
さて、なぜ今作が売れて良いかというと、「過去のサウンドの解体と新しいサウンドへの挑戦」が一つ挙げられる。Coldplayの作るサウンドは冷たく美しい。それはピアノ、アコギの多用が要因だろう。(個人的見解:Coldplayは美メロを持つと言うより、美サウンドを作ることができる)しかし今作は、バイタリティに溢れており、熱さまでも感じさせる。表面上では感じることのできなかった活力が、前面へ、サウンドへと具現化されているのだ。実際にVoのクリスはこう語っている。「ギターが常にうるさい。ピアノよりもね。みんなColdplayがピアノを弾くのは知っているから、ちょっとここでギターをでかくして思いっきり聴かせてやろうって。」(ライナーノーツより)その挑戦は成功した。サウンドが生に対するメタファーとなり聴く者に届く、そして聴く者の心を熱くさせる。これまでの彼らにはそれがなかった。新境地に達したと言える。
もう一つ売れて良い理由がある。それは、「近作のテーマにクリスの歌詞世界が合致する」からだ。クリスの書く歌詞は規模がデカイ。個や公なんて概念ではなく、世界、宇宙。バカでかい規模の概念で恋愛を歌っていた。はたして恋愛をするなかで、そこに世界や宇宙まで意識する人がいるだろうか。個対個、せいぜい個対公の世界のはずだ。だから、これまではクリスの書く歌詞は意味不明、共感不能だった。インテリ気取ってんのか。とさえも思っていた。
しかし、近作のテーマは邦題「美しき生命」が表すように「生」である。生きることの意味を見出す事、それは人間の最大の命題。今作でクリスはそのテーマに正面から挑みつつも、本来持っている壮大な観念を取り込み、これが見事に新境地に達したサウンドとマッチした。
特にM7の歌詞は秀逸。人間性が無かったある国の王が地位や権威全てを失うことで、初めて人間性を意識するという構図が素晴らしい。そして、そのタイトルが「Viva La Vida (美しき生命)」。一見ネガティヴな歌詞に思えるが、その根幹は明らかに生の肯定である。絶望を訴えながらも、希望を感じさせる構図を作りあげた歌詞世界は本当に秀逸と言わざるを得ない。
Coldplayはサウンド、歌詞ともにネクストレベルに達した。。『X&Y』を聴く限りでは、これ以上の進化は無理だろう。もう戦略は残されていないだろう。と思っていたが、良い意味で裏切ってくれた。公式サイトにアクセスすると「21世紀最大のバンド」というフレーズを目にする。今作はその恐れ多いキャッチフレーズを納得させてくれるデキだった。
曲ごとのレビューに移ります。
M1。インストだが、これがかなり良い。エレクトロイントロで始まるので、こっち路線で行くのか・・・と早々と意気消沈させてくれた途端、アラブを連想させるような幻想的なシンセサイザーによるアルペジオと独特なパーカッションが鳴り響く。その後アコギが挿入され、徐々にバンドサウンドに達していく。生命の躍動を連想させるようなサウンドは高揚感タップリ。この曲は2分30秒しかなく、もっと聴いていたくなる物足りなささえも感じてしまう。美しくありながらも熱いインストナンバーだ。
M2。M1から一気にトーンダウンする。それでも響き渡るコーラスが美しく、それは絶望の中の希望を表しているように聴こえる。
M3。パーカッションが導入され独特のリズムを刻む。これまでの彼らの音楽では聴くことのできなかったサウンド。
M4。ピアノ弾き語りで始まり、いわゆるColdplay節が炸裂する。「やめてくれよ。もうそれはやらなくていいよ」と軽く絶望した途端、1分35秒付近から一気にアグレッシヴな曲調に変化。曲の前半と後半の曲調が全く違う事もあり、クリスが「ギターの音をでかくした」と言ったことがよく分かる、生命力を叩きつけるナンバーである。
M5。1曲の中に2曲を組み込む変則ナンバー。なんとタイトルは「Lovers In Japan」である。歌詞には日本のある都市が登場する。それは「Osaka」である。なぜ「Tokyo」ではないのか。答えは分からない。
M6。これも1曲の中に2曲を組み込む変則ナンバー。前半はストリングスが中近東を連想させるメロディを奏で、幻想的でありつつ、緊迫感も感じさせる。後半はシューゲイザーサウンド。ちょっとこれには驚いた。さすがにここまでやってくるとは思っていなかったので。
M7。表題曲。ストリングスの躍動感が最高。壮大で美しく、生命力溢れる今作のベストトラック。
M8。先行シングル。イーノお得意のアンビエントイントロで始まる。歌いだしがピアノ伴奏と共に入るのでColdplay節炸裂かと思いきや、ノイジーなギターが前面に押し出され不安感を一蹴する。美メロとノイジーギターの対比がなかなか良い。
M9。アジアンテイストで、独特なリズムと小刻みなストリングスが印象的。ここまでの流れに比べると、少し単調な曲になってしまったかと。
M10。個人的ベストトラックはM7だが、このアルバムの意味を最も体現してる曲はM10だろう。ピアノとクリスのヴォーカルで幕を開ける序盤。バンドサウンドによるヴァイタリティー溢れる中盤。M1と同じ旋律の終盤。この3つの展開でM10は構成されている。この構成は「死→誕生→循環」のサイクルを体現しており、1曲でアルバム全体の流れを集約している。スケールがでかく、素晴らしいデキである。
名盤になり得るかはもう少し聴きこまなければ判断しかねるが、傑作であることは間違いない。もう取れる戦略はないと思っていたものの、結果は素晴らしいアルバムを届けてくれた。その要因は、彼らの才能による部分が多くを占めるだろうが、ブライアン・イーノの力も大きく働いたはずだ。新しさを求めていたColdplayにとってイーノは見事にフィットした。ホント凄いプロデューサーだ。
45分というコンパクトな仕上がりなので通して聴くのが苦にならない。また、ボリュームは短さの割りに結構あるので、聴き応えもある。名盤昇格もあり得ます。まぁ欲を言うならば、次回作まで完全な評価はお預けしたいところ。次回作しだいで彼らに対し完全な評価ができるだろう。2年後くらいに出してくれんかな。とりあえず、Coldplay第2章の幕開けが大成功したことははっきりと言い切れる。
しばらくの間はこのアルバムを聴けばよいので、刺激を求める必要はなさそう。
しばらくの間ですけどね・・・
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